BGM
Lower East / Hara Noda
夏といえばジャズですね(笑。
たまに、どこからか、うちを「ジャズ喫茶」と勘違いして来られる方がおられたりします。どこにもそんなこと書いた覚えはないのですが・・・。それでも、「ジャズは掛かってないんですね。」と言うファンの実直な眼差しは、胸に堪えます。もちろんたまには掛けますので、宜しければこれに懲りずにまた次回。が、あれば。
最近の音楽配信サービスなどで、ランダムに流れてくるジャズの中には、僕らがジャズと思う以上にジャズっぽいものが含まれている気がします。ただ、不思議とアーティストの情報が不足気味。もしかすると、AIなどによって作られたりしているのではと勘ぐってしまいます。いえ、むしろAIの作ったジャズを聴いてみたい気もするのですが・・。
Label : Epidemic Sound (Down Load)
Country : Sweden
Released : 2018
Eingya (Remastered) / Helios
以前にも書いたのですが、音楽(に限らず)ジャンルというものに興味がありません。ですが、それではお客さんの方は納得がいかないようで、どうしても「何々が掛かる店」という認識をされたいようです。でも、なかなか捉え処がないご様子で、時々「アンビエントのお店」なんて言われたりすることもあります。そんなの意識したことないのに・・・。今度漁ってみようかな。
どんな領域にも言えることなのかもしれませんが、案外「そのジャンルっぽく演ろうとすると、返ってそれにならない」ということがあるかと思います。「本物」って、実は「本物」を意識していないところから出てくるのかもしれません。
Label : p*dis(original : Type )
Country : USA
Released : 2019(original : 2006)
The Facts and the Dreams / Fragile State
音楽を聴くときに、ネットの音楽配信サービスを全く利用しないという方は、もうほとんどいらっしゃらないと思います。店をやっている僕らも、それは同じ。(いや、そんなことないのかな。)強力なテクノロジーの前には、自分の検索エンジンなど取るに足らないもの。つまらぬ拘りを捨てると、意外な出会いがあるものです。
Sptify のプレイリストに入れておいた、「taxi」や「NOSTALGIA 77」あたりから流れてきたんだと思います。そういえば買っていなかったと、自分の過去の不手際を指摘されているようで、若干「悔しい」感もありますが、CDも徐々に値上がりしているので、もうそんな事を言ってはおられません。有難く購入させて頂きました。
Label : Bar De Lune
Country : France
Released : 2002
Rf / Rf
夏になると、なぜか極々「真っ直ぐ」なジャズが聴きたくなります。これって、やっぱり昔通った「ジャズ喫茶」の影響が大きいのかもしれません。特に、真夏の暑い盛りに、エアコンとアイス珈琲を求めて行った、あの神保町のジャズ喫茶の居心地は、ジャズの音と共に今も体に残っています。
いいですよね。大音響のジャズと、アイス珈琲と、冷えた店内と・・・、そしてうたた寝と。
(この場を借りて深くお詫び申し上げます。御免なさい。)
数々のミュージシャンを陰で支えてきたギタリスト成川正憲(Rokugen Club)と、元レコードショップのバイヤーであり、DJ/コンポーザーFarah のユニット「Rf」。暑苦しくない、シンプルな編成は夏場に最適。それにしても、楽器が出来るって、いつまでもこんな風に歳を重ねていけるんだなあと、つくづく羨ましくなる大人の一枚。
Label : Timeless
Country :UK
Released : 2010
hiraeth ep / idealism
「Lo-fi」ミュージックには、映画やアニメなどの「映像」と親和性が高いものが多いのが特徴です。元々、作業やリラクゼーションなどのBGMを意識して作られたのものなので、至極当然の理由かと思います。
日々BAR で繰り広げられる風景も、物語のワンシーンと捉えれば、BGM的なサウンドは欠かせない要素なのかもしれません。どちらかというと、観客はこちら側(僕側)なのですが。
最近、映画でもアニメでも、刺激の強いストーリーが苦手になってしまいました。歳のせいでしょうね(笑。何も起こらなくていいから、淡々と穏やかなBGMだけで繋いでくれるような映画がないかなあ、と探しています。
Label : idealism (Down Load)
Country :Finland
Released : 2017
SELF REFLECTION / LESS.PEOPLE
店でかける音楽に、ダウンロード音源を利用することが増えました。インターネット環境で生まれた音楽の中には、特定のジャンルや場所性のようなものに縛られないものが多く、「どんなお酒も分け隔てなく紹介していこう」という、うちのスタンスと肌が合ったのかもしれません。
リアルタイムで続々と生まれるアーティストの数も魅力の一つで、いつもどこかで「自分の好きなもの」を追い求めている個人がいるのは、どこか飲食店に似ている気がします。
ネット配信などで人気が出た、chill out 系サウンドのひとつ、いわゆる「Lo-fi ミュージック」(彼らはこのカテゴリー分類をどう思っているか判りませんが)。彼らのサウンドには、抑制が効いていて一定のテンポで流れてくれるものが多く、BGMとしてとても重宝します。サウンドと同様、「穏やかに」末永く続けて欲しいと思っています。
Label : Chillhop Records (Down Load)
Country : Netherlands
Released : 2019
Chillhop Radio 〜 Beats to Relax to / V.A.
→ 時は流れて20年余り。音楽の供給手段も方法も劇的に変わり、大手レーベルを介さずとも、アーティスト自らが作品をネット発信できる時代になりました。
これはどういう事かというと、本来であれば「僕らの耳に届かなかった」類のサウンドが手に入るようになったことを意味しています。デジタル時代の彼らのサウンドは、自分達のための「私的」に溢れています。そう、テクノロジーがサウンドを変えてしまったのです。
「chill 」という言葉は、「落ち着く/くつろぐ」といった意味を持つスラング。音楽としての「chill」は、元々ひとつのジャンルとして捉えられていたのですが、最近では「作業/リラックス用」BGMとしてネット配信されていたりもしています。派手さのない抑制の効いたサウンドは、もちろんBARでのBGMとしても合います。今後も登場回数が増える予感がしています。
Label : P-VINE RECORDS
Country : Japan
Released : 2019
DIY serve chilled volume 1 / V.A.
店でかける音楽の方向性のようなものを模索している時期がありました。そんな時期に巡り合ったのがこのCDです。「DIY」は、イギリス北部ノッティンガムをベースに活動をしているレーベルで、文字通り「自分達で行動を」という精神が、無意識に肌に合ったのかもしれません。
彼らの活動の致命的な欠陥は、そのポリシーが災いしてか、「情報量が極端に少ない」事。98年当時はネットの検索もさほど洗練されておらず、 CDリリースの少ない彼らの痕跡を辿るのは至難の技でした。歯がゆい思いを抱えつつ、「chill」という言葉だけを残して音韻は闇に消えていくのでした。
Label : Blues Interactions. Inc
Country : Japan
Released : 1998
Living In The Past / JAZZ CHRONICLES
年配のお客さんから言われました。
最近のCLUB JAZZ系のものには、本当に色んなところからネタ元が登場するものが多くて、世代を超えて会話が繋がることが少なくありません。
「学生の頃、4畳半一間で朝から聴いたもんだよ。こんなところで出会うとは。」
音楽もBAR も世代を超える。といきたいところです。
ファラオ・サンダースの楽曲をフューチャーするなど、幅広いジャズへの愛情を感じるアルバム。ちょっと敬遠気味だった、いわゆる「スピリチュアルジャズ」も、いま改めて聴いてみると、シリアスな現代に意外にマッチするという気もします。
Label : Village Again Association. Co.,Ltd.
Country : Japan
Released : 2016