神保町界隈
本の街
学生の街、スポーツの街、音楽の街、喫茶店の街、病院の街ときて、ついに真打「本の街」の登場。三省堂書店といった大型書店を始め、数多くの古書店、古本屋が軒を連ねる日本有数の書店街・神田神保町。「人の悩みの大半は、既に誰かが経験済みで、書籍化されている。」とも言われます。知の宝庫「書店」。それが身近にあるというのは、どことない「安心感」をもたらします。
インターネットなどの台頭で、紙媒体のメディアの存続が危ぶまれる中、いまだこの街の代表的存在感を示している「書店群」。新型コロナウイルスが、すっかり世の中を変えてしまった現代。移動を制限された人類が、再び「本」の価値を見直すきっかけになるのでしょうか。
近江屋洋菓子店
BAR ground line をオープンして間もない頃、一家で馴染みになってくださったお宅の旦那さんが、ここのケーキを持参してくれました。もう20年も前の話になります。時は「パティシエ」や、煌びやかな「スイーツ」全盛の時代でしたが、「全然そんなんじゃないから。」と素っ気なくポンと置いて行ってくれたのを覚えています。素朴な老舗の味に、自分はまだこの街のことを全く知らないんだと、改めて思わされました。
天井高が自慢のうちの店も、さすがにここの高さには敵いません。最近リニューアルされたそうですが、雰囲気はそのままで、相変わらず「定番」を作り続けてらっしゃいます。
近江屋洋菓子店 : 東京都千代田区神田淡路町2-4 Tel.03-3251-1088
飯田橋アイガーデンテラス
神保町界隈で「桜」と言えば、上野公園か千鳥ヶ淵、靖国神社あたりが思い浮かぶかと思いますが、いずれの場所もこの時期は凄い混雑。ましてや昨今のこの騒動下では、なるべく「密」は避けたいところです。
お店から歩いて15分ほどのところのお隣町、飯田橋に「アイガーデンテラス」という再開発エリアがあって、沿道には小規模ながらも桜の木が植えられた並木道もあります。比較的新しいエリアなので、まだ木も低木で、しかも上に首都高が走っているため、やや日陰で、若干華やかさには欠けますが、それが返ってこじんまりとした、隠れた花見スポットとなっている気がします。
施設内の「エドモンドホテル」でカレーパンを買って、パクつきながら歩くのが常道です(笑。高速道路の日陰になっていることが、桜の開花をゆっくりとさせているので、比較的長い期間楽しめるのもいいところ。今週あたりまでいけるかな?
飯田橋アイガーデンテラス:東京都千代田区飯田橋3丁目10番9号
→東京都による段階的緩和期間への移行に伴う営業時間変更について
病院の街
神保町から御茶ノ水方面へ坂を登って行くと、順天堂大学・東京医科歯科大学・日本大学などの大学病院をはじめ、大小様々な私設病院が立ち並ぶ、いわゆる「病院の街」エリアになります。
この辺りでは、街行く方々の相当な割合が、こうした病院になんらかの形で関係しているのではないのかな、と思ってしまうほどです。もちろん BAR ground line にも、お医者さん、通院されている患者さん、お見舞いの方、その他医療関係のお仕事に携わる方々がお客さんとして訪れます。
どの立場の方も、楽しいことはそう多くはないと思います。こういった方々にこそ、BAR って必要なのではないのかと思うのは、思い上がりでしょうか。
岩波ホール
1974年開業、地下鉄神保町駅直近の映画館です。世界の埋もれた名作映画の発掘上映を行っているミニシアターの元祖的存在で、「神保町の文化人」を気取るなら、外せない名所です。
なに?まだ行ったことがない?それって、勝手に敷居を高くしてませんか??大丈夫。親切な受付のお姉さんが、きっと優しく迎えてくれますよ。
是非一度。
昨年館内を改装、リニューアルオープンされました。場内の換気は10分で全ての空気が入れ替わるようになっているそうです。最近はどの映画館も座席の間隔を設けたりと、新型コロナウイルス対策を施しているところも多いので、映画鑑賞はむしろ今、貴重な娯楽なのかもしれません。
喫茶店の街
チェーン系のカフェにすっかり凌駕されて、「喫茶店」の残る街って都心ではもう少ないのではないでしょうか。そんな中でも神保町は数少ない「喫茶店の街」だと思います。元々、周辺の学生やビジネスマンが本を買った帰りにちょっと立ち寄る所として生まれたものだと思うのですが、最近では昔懐かしさを求めて休日にわざわざ遠方から来る方々も多いようです。
世代を超えて、今、また「喫茶店」が熱いです。
学生の頃、随分と長居をしてご迷惑をおかけしました(汗。今の学生はそんな事するのでしょうか。「喫茶店」って「BAR」のお客さんの予備軍だと思っています。飲み物だけではなく、時間と空間を楽しむ要素は同じですからね。学生諸君。社会へ出たら、ひとつ宜しくどうぞ。
甲子屋酒店
明治36年より続く、神保町の酒屋さんです。ほぼ日本酒の専門店と言っていいかと思います。BAR ground line では日本酒の扱いは無いのですが、プライベートで良く飲むので、家用に買いに行ったりしています。歴史もさることながら、特筆すべきはその「回転(ハケ)」にあるかと思います。常に入荷したての新鮮なお酒を買えるのは、店の規模と品揃えのバランスの良さがなせる妙だと思います。うちの店も見習いたいと、いつも思っています。
うちの店って、日本酒を扱っていないにもかかわらず、なぜか日本酒好きの方が多いんですよね。時には日本酒の話で終始盛り上がることも。他所で日本酒を飲んで、〆のウイスキーを是非当店でどうぞ。
甲子屋酒店 : 東京都千代田区神田神保町2丁目9番地 tel 03-3261-1039
小島屋
創業60年余りのアメ横にある乾物屋さんです。胡桃やドライフルーツなどを買っています。
変わらぬ品揃え、変わらぬ品質。ネット仕入れが増えて行く中で、ここへはついつい買い出しに行ってしまうのは、いつも変わらぬ店員さんに、妙な安心感を持ちたいからなのかもしれません。
今年に入ってすっかりアメ横も歩きやすくなりました。と言うより元のアメ横に戻った感があって、なんだか懐かしさを覚えます。とくにインバウンド需要をあてにしているお店でもないようで、店員さんもいつも通り淡々とされているところがなんとも言えず好きです。
神田志乃多寿司
淡路町にある、明治35年から続くお寿司屋さんです。
ほぼ「稲荷寿司」と「海苔巻」の専門店といって良いかと思います。
食べやすいサイズに潔い内容。注文をしてから一個づつ作って折り詰めしてくれます。
朝の7時30分から営業しているので、上野などへ行楽にお出かけの際は、立ち寄られると良いかと思います。
箱が嫌な方は「経木にしてください。」と言えばしてもらえるそうです。古くから使われているお客さんから聞きました。確かにその方が風情がありますね。でもなんとなく僕にはまだ「生意気」なような気がして、言えずにおります。
神田志乃多寿司 :http://www.kanda-shinodasushi.co.jp/frame.htm